秋田県民が愛して止まない「生グソ」。

秋田 広栄堂 生グソ

秋田駅から歩いて15分ほどのところにある「広栄堂」を訪れた。秋田 広栄堂 生グソ和風の外観だが一般住宅のようなビジュアルでお店感は無い。秋田 広栄堂 生グソ

秋田では夏の風物詩

同店は昭和6年に和菓子店として創業した老舗のお店だが、現在はかき氷のみを提供している。軒先には「氷」と書かれた旗がかかっている。お店は5月下旬〜9月末までの期間限定営業。お店の窓に貼られる「生グソ始めました」のお知らせが、シーズン営業開始の合図となっており、同時に秋田では夏の風物詩となっている。秋田 広栄堂 生グソ

元々は和菓子屋

この「生グソ」を目的に県外からも多くの客が訪れる。夏の暑い日差しの中で、列に並ぶ人たちは汗をかきながらも「生グソ」を待ち望んでいるのだ。お店に入ると、広々とした空間が広がる。黒を基調にしたテーブル&椅子は甘味処テイストだ。席の間隔は広めで、ゆっくりとくつろげる雰囲気。秋田 広栄堂 生グソ元々和菓子屋だった内装を食堂風に改築した様子がうかがえる。注文をしてしばらくすると「広栄堂」の人気ナンバーワンメニューの「生グソ」が運ばれてくる。秋田 広栄堂 生グソ同店では看板メニューの生グソをはじめ、ほかにも数十種類のかき氷のメニューが用意されている。秋田 広栄堂 生グソ

生グソの正体

「生グソ」というインパクトのある商品名は、あくまでも愛称であって、実際は「生グレープフルーツソフト」の頭文字を取った愛称なのだ。このユニークな愛称が定着した経緯は生グレープフルーツソフトという名称は長すぎるため、注文伝票に「生グソ」と書いていたことから、常連客の間で話題になり、これが広まったとのこと。今では秋田県内で「ソウルかき氷」として愛されるほか、かき氷好きの間では”秋田の隠れた名物”として「生グソ」は親しまれている。秋田 広栄堂 生グソ

まるで雪のようなかき氷

「生グソ」の見た目は非常にシンプルだ。ガラスの器に盛られたたっぷりの氷の上に、ソフトクリームがトッピングされている。ふわふわに削ったかき氷は、まるで雪を食べているような素朴な味。秋田 広栄堂 生グソスプーンでかき氷を食べすすめると、器の底の方に、みずみずしいグレープフルーツの果肉が埋まっている。甘~い自家製シロップとの相性は抜群だ。秋田 広栄堂 生グソ

素朴だけどクセになるおいしさ

かき氷とシロップを混ぜ合わせるとちょうどよい味になる。 たっぷりのかき氷、爽やかな酸味の中にほんのりと苦みを感じるグレープフルーツ果肉、甘くてさっぱりとした自家製シロップ、そして濃厚でクリーミーなソフトクリームの組み合わせは味のバランスが良くクセになるおいしさだ。 実際に食べてみて、人気の理由がよくわかった。秋田 広栄堂 生グソ

ユニークなネーミングだけで話題になっているのではなく、この素朴ながらにも何度でも食べたくなる深みのあるおいしさが「生グソ」の人気の理由なのだ。

秋田を訪問した際は、是非「生グソ」を食べてみてほしい。

投稿者プロフィール

アイスマン福留
アイスマン福留アイスクリーム・スペシャリスト
年間に食べるアイスクリームの数は1,000種類以上。2010年コンビニアイスに特化したレビューサイト「コンビニアイスマニア」を開設し、アイス評論家として活動を始める。2014年には『一般社団法人 日本アイスマニア協会』代表理事に就任。アイスクリームのスペシャリストとして TBS『マツコの知らない世界』をはじめ多くのメディアに出演。冬季のアイス市場を盛り上げるための「冬アイスの日」を制定するほか、全国から厳選したアイスが集結するイベント・アイスクリーム万博「あいぱく®」などを主宰。著書に『日本懐かしアイス大全』、『日本アイスクロニクル』、『ご当地アイス大全』(辰巳出版)等がある。
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