ニュージーランドのアイスクリーム

KAPITI

最近は旅行にも行けないので、1年前に行ったニュージーランドアイスクリーム旅行を思い返してみる。

ニュージーランドアイスの旅

 ニュージーランドは世界有数の酪農大国。1人当たりの年間アイスクリーム消費量は現在オーストラリアに次ぐ第2位。過去には世界第1位を何度も記録している世界トップクラスのアイス大国。アイスクリーム好きなら一度は訪れてみたい国なのだ。

 

そんなわけで、アイス好き仲間と数人でアイスクリーム市場調査を兼ねてニュージーランドアイス旅行に行ってきた。旅行では観光スポットには目もくれず事前に作成したアイスクリーム店舗リストに従い、食事は胃袋のアイススペースを確保するために最小限に抑える。そんな感じでただただアイスクリーム店舗を巡り食べ続けるという、楽しさと苦しさを兼ね揃えた旅だった。

 

ニュージーランドのアイスクリームの味は、正直繊細な味に慣れている日本人にとってはちょっと大味なのでは?と勝手なイメージを抱いていた。しかし、いい意味でその憶測は裏切られた。良質な乳原料を使ったニュージーランドのアイスクリームはどこのお店に入っても驚くほどクオリティが高いのだ。

 

ニュージーランドではHokeyPokeyがスタンダード

ニュージーランドのアイスクリームで一番ポピュラーなフレーバーといえば「ホーキーポーキー(HokeyPokey)」だ。濃厚でコクのあるアイスクリームに甘くてカリカリ食感のキャラメル(トフィー)粒を混ぜたなんとも魅力的なフレーバーだ。日本ではそこまでメジャーではなく“知る人ぞ知るフレーバー”という立ち位置。

 

日本でホーキーポーキーを知る人のほとんどは京都のアイガー社が販売する「エメラルドホーキーポーキー」を食べている。この商品は高級スーパーや業務用スーパー、ネット通販などで買うことができるので機会があれば是非食べてみてほしい。実はニュージーランドでは有名な高級ブランド「KAPITI(カピティ)」も日本上陸を果たしているが、残念ながら一番人気のフレーバーであるホーキーポーキーが日本では未発売なのだ。

今回のニュージーランド旅行で巡ったオークランド周辺のアイスクリーム屋を巡った中でもオススメのお店を紹介しておくので今後ニュージーランド旅行に行こうと思っているかたはご参考に。

 

Giapo(ジアポ)

外せないのがオークランド中心部にある「Giapo(ジアポ)」。「ダイオウイカ」のかたちをしたアイスクリームなど遊び心のある斬新なビジュアル(もはや芸術品)だが、食べてみると味も間違いなし。はじめての来店だとフレーバーの食べくらべをさせてくれたりとサービスも申し分ない。

473ミリリットル

夜10時まで営業しているので〆のアイスクリームにも最適。季節毎にフレーバーが変わるので通い詰めたいところだが、オークランドにはなかなか…ね。

giapo

 

Island Gelato(アイランドジェラート)

オークランドのフェリービルディングに店舗を構えるワイキキ生まれのIsland Gelato。今まで70種類以上のフレーバーを展開。期間限定のスペシャルフレーバーなども取り揃えるオシャレなジェラート店だ。どのフレーバーを食べてもハズレがなく全体的にクオリティも高い。お店がフェリーターミナルにあるので、海を眺めながらジェラートが食べられる。
IslandGelato

Island Gelato

 

Melt Newzealand Natural(メルト)

ニュージーランドのオークランド市内にあるアイスクリームチェーン店。フレーバー各種を盛り付けるジェラートのほかマカロン生地でアイスクリームを挟んだ商品や、手焼きのクッキーを使ったアイスクリームサンドなども食べられる。街の中心部で立地も良くアイスクリーム店らしいわかりやすい店構えでなので訪れる人も多そうだ。ガラス張りで解放感のある店舗でゆったりとくつろげる落ち着いた雰囲気も魅力。

Melt

 

Mils(ミルズ)

オークランド中心部Britomart(ブリトマート)駅近くにあるデザート専門店。アイスクリームの目玉商品であるアイスをメレンゲでくるりと巻いた「Mombe Alaska」は存在感が際立つ。

Mils_icecream

それ以外のシンプルな見た目のアイスクリームバーもパティシエが手掛けるアイスクリームらしい繊細な味。仲間内での評価も非常に高かった。10数店舗のアイスクリーム屋を食べ歩いても気づいたら再訪してしまうほど魅力的な店だ。

Mils_icecream

 

miann(ミアン)

こちらもオークランド中心部Britomart駅から5分ほど歩いた場所に位置するデザートカフェ。ショーケースに並ぶデザートはまさにアート。店内はもちろん店舗前の開放的なオープンテラスでジェラートと一緒に街の雰囲気も満喫できる。定番のHokeyPokeyをはじめ、どのフレーバーを選んでもハズレはない。中でもパッションフルーツのおいしさが際立っていた。ああ、もう一度食べたい。

miann

 

Juicy NZ Strawberries(ジューシーNZストロベリーズ)

いちご農園が運営するショップで、地元民が集うアイスクリーム専門店。その場でいちごを潰してアイスクリームと混ぜて提供してくれる。爽やかなフローズンヨーグルトもおすすめ。日本では考えられないほどビッグサイズだが、美味しいのでペロリと食べられる。アイスのおいしさだけではなくお店の雰囲気も素晴らしい。店の隣にレトロ感あふれるトゥクトゥク(Tukutuku)なども置かれていて写真スポットとしても楽しめる素敵なお店だ。

Juicy

Kapiti(カピティ)ストア

ニュージーランドのアイスクリームで外せないのがKapitiだ。値段はちょっと高めで、日本でいうハーゲンダッツのような高級ラインに位置するブランド。牧草や餌にもこだわったグラスフェッドミルクからつくられたチーズをはじめ、こだわりの素材でつくられたアイスクリームのおいしさは格別だ。どのフレーバーを食べても間違いないおいしさ。ストア以外にも街のあらゆるところに臨時店舗が出店しているので観光旅行中にも食べられる機会が比較的多い。

Kapiti

KAPITI

 

TipTop(ティップトップ)で工場見学

ニュージーランドの大手メーカー「TipTop(ティップトップ)」。TikTok(ティックトック)ではないからね…。ここの商品はコンビニやスーパーにも商品が数多く並んでいる。現地の工場で見学ツアーを実施しておりあらかじめ予約をしておくとTipTopの工場が見学できる。
tiptop

場所はオークランド市街から車で20分程度にある。工場を案内してくれるガイドさんがとても明るく陽気で元気をもらえる。多くの人を笑顔にするアイスクリームに携わる人はこうでなきゃね。

TipTop

途方もない量のアイスクリームを胃袋に詰め込んだ我らアイスマニアの幸せなニュージーランド旅行。日本に戻ると体重が2キロほど増えていた。アイスクリームばかりでまともな食事は数える程度だったのになぁ…。あと、帰国して自分のスマホのフォトアルバムを見返すと、その中にニュージーランドの美しい風景はほぼ写っておらずアイスクリームの写真で埋め尽くされていた。まぁ、とにかくニュージーランドはアイスクリーム好きにとっては本当に魅力的で何度でも行きたい国だ。

 

とっても印象的だったのが、日本では分け合って食べるのが当たり前のパイントサイズ(約473ミリリットル)のアイスクリームを、ベンチに座っていた男性が大きなスプーンでカップを抱え込んで満足そうに食べていた姿だ。さすがアイスクリーム消費量1~2位を争うアイスクリーム大国。コロナショックが落ち着いたらまたゆっくりと行きたい。

アイスマニア

投稿者プロフィール

アイスマン福留
アイスマン福留アイスクリーム・スペシャリスト
年間に食べるアイスクリームの数は1,000種類以上。2010年コンビニアイスに特化したレビューサイト「コンビニアイスマニア」を開設し、アイス評論家として活動を始める。2014年には『一般社団法人 日本アイスマニア協会』代表理事に就任。アイスクリームのスペシャリストとして TBS『マツコの知らない世界』をはじめ多くのメディアに出演。冬季のアイス市場を盛り上げるための「冬アイスの日」を制定するほか、全国から厳選したアイスが集結するイベント・アイスクリーム万博「あいぱく®」などを主宰。著書に『日本懐かしアイス大全』、『日本アイスクロニクル』、『ご当地アイス大全』(辰巳出版)等がある。
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