青森のチンチンアイスに大興奮(十色アイス)

青森 十和田 ハタケヤマ 十色アイス 花火アイス チンチンアイス

アイスマン福留です。全国ご当地アイスの食べ歩きの旅!今回は青森編。青森には一体どんなアイスがあるのか。秋田にはババヘラアイスという有名なご当地アイスが存在しますが、ここ青森にも同じように道の駅や路上で販売するアイスクリン文化が根付いています。

チンチンアイス…だと?!

青森のアイスクリンは「カランカランアイス」「チンチンアイス」「チリンチリンアイス」などと呼ばれています。いずれも屋台を押して流し売りする際に鳴らす鐘の音に由来しています。地元青森では運動会やイベントなどを中心に出店販売するほか、車で移動していると道の駅や路上でもチラホラ見かけます。

また観光客にも青森名物として人気を博しています。秋田のババヘラアイスと同じように観光地やイベントが開催される場所(人が集まるところ)で日毎に販売できるというのは屋台販売の長所でもあります。しかし「チンチンアイス」という名称は、なかなかのパワーワードですよね。(笑)また、青森でも南部・津軽などで言葉が違うのでアイスの呼び方も微妙に異なるのだとか。

チンチンアイスの屋台(リヤカー)が見つからない

ハタケヤマの十色アイスは、普段は官庁通りや十和田市現代美術館前周辺で出会えるのですが、行ったタイミングがちょうど美術館の休館日だったので屋台が全然見つからず、野辺地方面へ車を1時間ほど走らせて駅周辺を探索しました。

しかしまったく見つからず・・・。

やはり常に移動しているリヤカーを見つけるのは現実的ではない。完全に諦めて十和田方面に向かって帰る途中に15分ほど走っていたら…

ん?あれは…….?!

い、いたぁぁぁぁぁぁぁぁあああ〜〜〜っっ!!!

ハタケヤマの花火アイス

十色・六色アイスの移動販売用リヤカー

たまたまスーパーマーケットの曲がり角で休憩中のリヤカーを発見!このアイスを食べる為だけに東京から青森までを2往復(しかも今回はチンチンアイスのためだけに日帰り)やっっっと出会えました!感動!!!(涙)。

青森 十和田 ハタケヤマ 十色アイス 花火アイス チンチンアイス

商 ハタケヤマ「十色・六色アイス」(通称:花火アイス)

このアイスクリンを販売するリヤカーは、十和田にある「商(あきない)ハタケヤマ」。青森のアイスクリンはチンチンアイスと一括りにされますが、このアイスの正式名称は「十色・六色アイス」。また、カラフルなその見ためから「花火アイス」とも呼ばれています。

青森 十色アイス(花火アイス)

「商 ハタケヤマ」は昭和55年頃からアイスクリームの製造販売を開始。ご夫婦で商売を営んでおり(奥様が製造担当、ご主人は販売担当)、二人三脚でこの道41年。リヤカー(屋台)は何台も所有されていますが現在の稼働は2台体制で十和田周辺で販売をしています。

色とりどりの十色アイス

十色アイスのフレーバーは「ゴマ」「パイン」「メロン」「オレンジ」「バニラ」「チョコ」「ブドウ」「ブルーハワイ」「イチゴ」「リンゴ」の10種類。ザラメ、ブドウ糖、白砂糖、ゼラチン、バニラ香料などを独自の配合でつくっています。他地域(秋田・高知・長崎・沖縄)のアイスクリンに比べて青森のアイスクリンは味が濃厚。特に「商ハタケヤマ」の花火アイスはフルーツピューレなどを使用していてジューシーな味わいに仕上げているのが特徴です。

フレーバーそれぞれの味わいが個性的で、なかでもチョコとゴマの味が印象的でした。十色になったきっかけは、カラフルなアイスを見た子供が「花火みたいでキレイ!」と呟いたことから。元々色はもっと少なかったのですが「花火だったらもっとカラフルじゃないと!」と畠山さんのサービス精神から十色の花火アイスが誕生しました。今まで全国のアイスクリンをたくさん食べてきましたが「十色」は最多。これだけカラフルで綺麗なアイスクリンは他で見たことがありません。

食べ終えるとリヤカーはすぐに出発。「チン♪チン♪チン♪チン…」と鐘を鳴らしながらゆっくりと野辺地の海岸方面に向かっていきました。ああ、このノスタルジックな光景。まるで昭和時代にタイムトリップした気分!これが地方アイスの醍醐味。奇跡的に出会えた喜びを噛み締めながら屋台が小さくなるまで見送りました。

ハタケヤマの十色・六色アイス(花火アイス)は、青森のチンチンアイスの代表格。まるで花火のようにカラフルなビジュアルは、ひとめ見たら買いたくなること間違いなし!全国どこを探してもこんなにカラフルなアイスクリンはありません。まさに唯一無二の存在!

味は濃厚ですがアイスクリン特有のサクッ!シャリ!とした食感で後味はさっぱり。特に暑い日に食べると最高です。味はもちろんのこと鐘を鳴らして流し売りをする風情ある行商スタイルも魅力のひとつ。交通法などの関係で路上販売や移動式のスタイルは、どんどん規制が厳しくなってきていますが、どうか地域の伝統文化として後世に残していってほしいものです。

名称:『商(あきない) ハタケヤマ』
十色アイス:400円(税込)、六色アイス:300円(税込)
販売時期:4月下旬〜10月末
営業時間:9:00~17:00
販売場所:十和田美術館、官庁通り周辺でリヤカーにて販売。

投稿者プロフィール

アイスマン福留
アイスマン福留アイスクリーム・スペシャリスト
年間に食べるアイスクリームの数は1,000種類以上。2010年コンビニアイスに特化したレビューサイト「コンビニアイスマニア」を開設し、アイス評論家として活動を始める。2014年には『一般社団法人 日本アイスマニア協会』代表理事に就任。アイスクリームのスペシャリストとして TBS『マツコの知らない世界』をはじめ多くのメディアに出演。冬季のアイス市場を盛り上げるための「冬アイスの日」を制定するほか、全国から厳選したアイスが集結するイベント・アイスクリーム万博「あいぱく®」などを主宰。著書に『日本懐かしアイス大全』、『日本アイスクロニクル』、『ご当地アイス大全』(辰巳出版)等がある。
タイトルとURLをコピーしました