京都は宇治にある、中村藤吉本店へ行ってきました。京都駅店や銀座店もありますが、1854年創業の宇治本店は、歴史が感じられ趣も異なるだけでなく、本店限定のパフェがいただけるので、訪れる価値のあるお店です。
JR奈良線宇治駅から徒歩1分、京阪宇治駅から徒歩10分。お馴染みの屋号「まると」の暖簾が入り口です。
人気店なだけあって、1時間以上待つことも当たり前です。事前予約ができないので、店舗で名前を書いて呼ばれるのを待つわけですが、カフェ滞在の時間制限もありません。そのため、あまりにも待ち人数が多い時は、徒歩すぐの『平等院鳳凰堂』見学へ行くことをおすすめします。もちろんその間に呼ばれてしまうと、一番下に周り再び待つことになってしまうので、その辺りは慎重に判断する必要があるのですが…。カフェの隣にはショップもあるので、そちらでお土産を見ながら過ごすのも楽しいです。
さて、こちらのシグネチャーデザートといえば「生茶ゼリイ」です。上質な抹茶を使用した濃厚なゼリイに白玉と小豆が乗っています。ゼリイ自体はオンラインサイトや百貨店でも取り扱いがあるのですが、宇治本店では、竹の器に入ったゼリイに抹茶アイスがトッピングされたものがいただけます。
ひんやり冷えた竹筒の中に、独特の食感のゼリイが詰まっています。寒天より柔らかく、プリンより少し硬めという感じでしょうか。上質な抹茶を使用しているだけあって、風味は強く、甘さは控えめ、ほんのり苦味もあるゼリイです。抹茶アイスと一緒にいただくとまろやかさと苦味がちょうど良い塩梅になり、爽やかな抹茶の香りが口いっぱいに広がります。小豆もねっとり甘すぎず、白玉も食べ応えがあり、満足できる一品です。
「生茶ゼリイ」にはほうじ茶もあり、ほうじ茶ゼリイにほうじ茶アイスというほうじ茶尽くしな一品です。ほうじ茶のゼリイは癖もなくすっきりとしていながら、ほうじ茶特有の焦がしたような香ばしさはしっかり残っています。そしてほうじ茶アイスは思わずため息が出る美味しさです。ここまでほうじ茶の風味が濃厚なほうじ茶アイスは初めてかもしれません。チョコレートが混ざってるかのような濃くて香ばしい風味と濃厚な口当たり。すっきりしたゼリイと合わさると、大人の苦味と甘みが感じられます。定番の抹茶を選ぶ方が多いようですが、ツウな人はあえてほうじ茶ゼリイを選択するのではないでしょうか。特にほうじ茶アイスは、アイス好きにはぜひ一度食べていただきたいです。
そしてこちらも宇治本店限定の「まるとパフェ抹茶」です。竹筒の入れ物に抹茶パウダーで「まると」が描かれているパフェは、運ばれてきた時からわくわくする、写真映え間違いなしのパフェです。中身も感動的です。一層目はこの抹茶パウダーと特性生クリーム。次に抹茶アイスクリーム、抹茶カステラ、玄米パフ、ベリー、白玉、大納言小豆が続き、真ん中にはなんとレモンジャム。その下に抹茶ゼリイ、そして最下層には抹茶ソフトクリームという豪華さです。断面の絵と説明か書かれた紙が添えられているのですが、実物の断面を見られないのが残念!
スプーンで豪快に掘って食べるのですが、まず上の抹茶アイスクリームは濃厚で濃く、抹茶の旨みにこだわったアイスです。このアイスが生クリームや白玉、時々混ざるパフやカステラととてもよくあいます。レモンジャムが現れると、その酸味がお口直しのような役割を果たし、抹茶ゼリイの風味と食感をきちんと味わえるようになっています。そして最後のソフトクリームは、抹茶アイスクリームと異なり、少し甘め。ふわふわのソフトクリームが最後に現れる嬉しさといったら格別です。最後まで飽きさせない工夫たっぷりのパフェです。この瞬間を味わうためなら何時間でも待てると感じる上、食べている間は一口一口に驚きがあり、終始芳醇な香りに包まれて、ゆっくりとした時間が流れているような気持ちにさせてくれます。一緒に提供される温かいほうじ茶ともとても合います。
季節ごとに中身が変わったり、他店舗でもそれぞれ店舗限定の「まるとパフェ」がいただけるそうです。
京都にお越しの際はぜひ、足を運んでみて下さい。極上の和の香りとほのかな甘さは、忘れられないものになると思います。
投稿者プロフィール
- 毎日アイスクリームを食べるアイスクリームに目がない翻訳者兼フリーライター。市販のアイスからジェラート/アイスクリームショップ、お取り寄せ品に国内外のご当地アイスまでとりあえずアイスは欠かさずチェック!辛口評価もしており、「美味しい」だけじゃない本音の口コミを読者や企業に届けたいライター。海外育ちなため、日本のアイスの繊細さと上品さ、メーカーのこだわりを海外に届けたい夢も持っている。Ice cream is better than any therapy!
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